◇ウェルカム・メッセージ第10号◇
(2005年4月5日〜2005年5月22日まで掲載)

「都市再開発の目玉に、大学、研究機関の産学連携機能をフロア開発に活用」

産学連携機能をメーンコンセプトに据えた都市再開発の手法が、都市開発の新しい流れを変えようとしている。これまでの公共開発の主体は、商業や住宅用の床を処分する手法が定番で、だれもその方法を疑うこともなかったのが現状だろう。JR秋葉原駅前の東京都所有の旧神田市場跡地につくるIT拠点「秋葉原クロスフィールド」の2施設の内、一棟「秋葉原ダイビル」(地上31階、地下2階)が3月31日オープンした。1,2階が無線LAN整備のカフェやコンベンションホール(450人収容)など、5階から15階は産学連携機能フロア、16階から30階にオフィス機能を配置。

産学連携フロアには、東京大学、東京電機大、早稲田、明治、デジタルハリウッド大学、他計9大学、産総研などの9研究機関が入り、再開発の目玉となった。5階から15階の中低層階に設置するもので、その名の通り、産学が連携した先端的研究、教育、ベンチャー育成、販路開発などが行なわれることになる。またオフィスフロアには日立製作所の一部が入り、各テナントが自らの事業に取り組み、それとともにテナント同士の連携がはじまる。また、テナントと秋葉原の各企業や店舗といった地域との連携も図ることになる。5階には、テナント同士が自由に交流できるアキバテクノクラブを設置する予定で、これも産学連携を加速することになるだろう。

各大学による人材育成では、学生のほか社会人にも広く公開するケースが多く、「秋葉原の街の人にも公開したい」とする入居テナントが多い。また、日本弁理士会により、特許、著作権問題への対応、契約相談などを可能とするほか、ベンチャーキャピタリストの日本テクノロジーズベンチャーパートナーズによりベンチャー企業の資金調達などに関する連携も図れるようにしていることなど、少子化を追い風にした新しい都市開発のあり方を提唱したことは意義深い。

(詳しくは http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0217/akiba.htm

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